パプアニューギニアは年間4万2千トンものコーヒーを生産する、世界第22位のコーヒー生産国です。国内の農園面積は12万ヘクタールにものぼり、コーヒー産業はパプアニューギニアの重要な産業の1つとなっています。
パプアニューギニア産コーヒーは、その独自の味わいでと香りでコーヒー好きの間でも人気があります。今回はそんなパプアニューギニア産コーヒーの魅力を紹介します。
パプアニューギニアは、標高1,500m-2,000mの高地帯にコーヒー農園が広がっています。この地域は昼夜の気温差が大きく、年間降水量も2,000mmと豊富で、コーヒーの品質を高める可能性を秘めているとして注目を集めています。
昼夜の気温差が大きい
昼夜の気温差が大きい環境では、コーヒーの実はゆっくりと熟成します。このことで、コーヒーの果実に糖分が蓄積され、質の良い甘さを持つコーヒー豆が育ちます。
ミネラルが豊富な火山性の肥沃な土壌
パプアニューギニアの土壌は火山性灰質でミネラルが豊富です。ミネラルが豊富な土壌は保水性や透水性が高く、コーヒーの木に適度な水分と空気を供給することができ、より健康的で生産性が高くなることが知られています。この土壌により、高品質なコーヒー豆が育っています。
年間降水量2,000mmの豊富な雨水
年間降水量が2,000mmと豊富なため、コーヒーの木の生育に十分な水分が行き渡ります。また、雨季と乾季がはっきりと分かれているのもコーヒー栽培には適した環境です。
パプアニューギニアのコーヒー産業は、19世紀にイギリスとドイツの植民地支配によって始まりました。当時はプランテーションと呼ばれる外国人が経営する大型農園が、コーヒー生産のほとんどを占めていました。
しかし、パプアニューギニアが独立した後、コーヒー産業は大きく変化しました。独立後はパプア人の小規模生産者がコーヒー生産に参入し、その割合は現在では88%にまで増加しています。一方、プランテーションは12%にまで減少しています。
国内外からも評価の高いハイランズ地域のコーヒー
パプアニューギニアのコーヒー産地は、東部と西部の高原地域が有名です。この地域は標高1,500m-2,000mの高地帯で、昼夜の気温差が大きく、肥沃な土壌に恵まれています。
特にハイランズ地域で生産されたコーヒー豆はフルーティな酸味としっかりとしたコクが特徴で、国内外のコーヒー市場で高く評価されています。
酸味も苦味も控えめで万人ウケする味わい
パプアニューギニアのように昼夜の気温差が大きいとコーヒーの木がストレスを感じます。このストレスによって、コーヒーの木は糖分を蓄積して寒さや乾燥などのストレスに耐えようとします。また、クロロゲン酸は珈琲の果実に酸味を与える成分ですが、昼夜の気温差が大きいとクロロゲン酸が分解されやすくなります。
花のような甘さとフルーティなみずみずしさ
パプアニューギニア産コーヒーは、主にティピカ種、ブルボン種、アルシャ種の3品種が栽培されています。これらの品種はいずれもクセがなく飲みやすい味わいが特徴です。
また、パプアニューギニアでは主にウォッシュドと呼ばれる加工方法でコーヒー豆を生成しています。ウォッシュド加工では、コーヒーチェリーを収穫後、果肉や果汁を除去して乾燥させます。この加工方法は酸味や苦味を抑えられ、すっきりとした味わいになるという特徴があります。
パプアニューギニアのコーヒー栽培の歴史は1926年に始まりました。
当時パプアニューギニアはイギリスとドイツの植民地支配下にあり、イギリス人宣教師によってジャマイカのブルーマウンテン種が移植されました。ブルーマウンテン種は世界最高峰のコーヒー豆として知られる品種です。
1950年代になると、パプアニューギニアはオーストラリアの統治下に入りました。この頃から、外国人が経営する大規模農園でコーヒー栽培が行われるようになりました。
1975年、パプアニューギニアはオーストラリアから独立。その後はパプア人による小規模生産者がコーヒー栽培に参入するようになり、現在では、小規模生産者がコーヒー生産の88%を占めています。