「インスタントじゃなくて、豆からちゃんと淹れてみたい」と思いながら、なんとなく踏み出せずにいる方は少なくないと思います。ドリッパー、ミル、ケトル……道具の名前を調べ始めると情報が多くて、気づけばタブをたくさん開いたまま何もしていない、という経験がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ハンドドリップを始めるために必要な道具・豆の選び方・基本の淹れ方を、できるだけシンプルにひとまとめにしています。「全体像さえつかめれば動ける」という方に向けて書きましたので、まずここだけ読んでみてください。
ハンドドリップとは、ドリッパー(後述)にペーパーフィルターと挽いたコーヒー粉をセットし、お湯を手で注いで抽出する方法です。インスタントコーヒーのように粉を溶かすのではなく、お湯がコーヒー粉を通過するときに成分を引き出すしくみです。
手間がかかる分、豆の個性や香り・風味をダイレクトに感じやすいのがハンドドリップの特徴です。注ぐ速さや量を自分でコントロールするため、「同じ豆でも味が変わる」という体験ができます。そこが面白さでもあり、最初のとっつきにくさでもあります。
コーヒーメーカーと比べると、全自動で抽出してくれる分コーヒーメーカーは手軽ですが、抽出のコントロールはほぼ機械任せです。ハンドドリップはその分だけ自分の手が関わるので、少しずつ自分好みに調整していく楽しさがあります。
「道具を全部揃えなきゃ」と思うと腰が重くなりますが、まず始めるだけなら4点あれば十分です。
① ドリッパー
ドリッパーとは、ペーパーフィルターをセットしてコーヒー粉を置き、お湯を注いで抽出する器具のことです。コーヒーカップやサーバーの上に乗せて使います。
穴の数や形状によって、お湯が粉を通過するスピードが変わり、味わいに違いが出ます。穴がひとつで小さいものはゆっくり抽出されてコクが出やすく、穴が大きかったり複数あるものはやや早く抽出されてすっきりした味になりやすい傾向があります。
初心者のうちは、構造がシンプルで扱いやすいものから入るのが向いています。複雑な技術が必要なものより、ある程度安定した結果が出やすい設計のものを選ぶと、最初の「失敗続き」を防ぎやすいです。
→ ドリッパーの種類と選び方の詳細は「初心者でも失敗しない!おすすめの定番コーヒードリッパー3選」で解説しています。
② ドリップケトル(細口ポット)
細口のケトルを使うと、お湯が細く出るため「どこに・どのくらいの量を・どのくらいのスピードで注ぐか」がコントロールしやすくなります。コーヒーの抽出は注ぎ方で味が変わるため、最初から細口ケトルがあると安定しやすいです。
ただし、最初は普通のケトルやポットでも始めることはできます。うまく注ぎにくい場面はありますが、「まず一度やってみる」という段階なら問題ありません。慣れてきたタイミングで細口ケトルを導入する、という順番でも十分です。
③ コーヒーミル(豆を挽く道具)
コーヒーミルは、コーヒー豆を粉に挽くための道具です。豆は挽いた瞬間から表面積が増えて酸化が進むため、飲む直前に挽きたてにするほど香りが出やすい傾向があります。
ただし、最初からミルを用意しなくても始めることはできます。コーヒーモンスターを含む多くのコーヒーショップでは、豆だけでなく粉の状態での販売も行っています。「まず淹れ方を覚えてから道具を揃えたい」という方は、粉から始めるのもひとつの選択肢です。
なお、ミルには手動タイプと電動タイプがあり、それぞれ使い心地やコストが異なります
④ ペーパーフィルター
ペーパーフィルターは、ドリッパーにセットしてコーヒーの粉をお湯が通り抜けるときのフィルター役を果たす消耗品です。ドリッパーの形状に合ったサイズ・形を選ぶ必要があります(台形型のドリッパーには台形型のフィルター、円錐型には円錐型など)。
1枚ずつ使い切りなので、定期的な補充が必要です。比較的リーズナブルで手に入りやすいので、道具の中では負担が少ない部分です。
道具と同じくらい迷うのが豆選びです。コーヒーは産地・焙煎度・品種によって味が大きく変わります。最初から選択肢が多すぎると迷うので、基本的な考え方だけ押さえておくと選びやすくなります。
焙煎度の基本
焙煎度(ばいせんど)とは、豆をどのくらい火にかけたかを示す指標です。大きくは「浅煎り・中煎り・深煎り」の3段階に分かれます。
- 浅煎り:酸味が強く、フルーティーな味わいが出やすい
- 中煎り:酸味とコクのバランスがとれた、飲みやすい仕上がり
- 深煎り:苦みが強く、コクが深い。ミルクや砂糖と合わせやすい
初心者には、クセが少なく飲みやすい中煎り・マイルド系から入ることが向いています。酸味も苦みも極端でなく、ハンドドリップの練習中にも「美味しく飲める」という状態になりやすいためです。
産地で選ぶなら
産地の中でも、ブラジル・コロンビア産はクセが少なく、バランスのとれた味わいのものが多いとされています。初めてコーヒー豆を選ぶときの入門的な選択肢として取り上げられることが多い産地です。
コーヒーモンスターのデイリークラシックは、ブラジル×コロンビアをブレンドした中煎りのコーヒーです。マイルドで飲みやすく、初めてのハンドドリップで試してみたい方に向いています。
また、お試しアソートセット(¥980・4種・送料無料)では、デイリークラシックを含む4種類のブレンドをまとめて試すことができます。「豆を一種類に絞りきれない」「自分の好みがまだよく分からない」という段階の方に向いているセットです。
難しく考えなくて大丈夫です。最初は「この手順をやってみた」という体験が大切です。
豆で購入した場合は、まず中挽きに挽きます。中挽きとは、グラニュー糖程度の粒の大きさが目安です。粗すぎると味が薄く、細かすぎると雑味が出やすくなります。
→ 挽き目が味に与える影響の詳細は「ドリップコーヒーには中挽きが最適|コーヒー豆の挽き方による味の違い」で解説しています。
ドリッパーにペーパーフィルターをセットしたら、先にお湯を少量かけてフィルターを湿らせます。ペーパーフィルターには紙特有の匂いがあるため、最初に湿らせることで匂いを軽減できます。湿らせたお湯はカップやサーバーから捨てておきましょう。
コーヒー粉の量は、1杯分で10〜12g程度が目安です。慣れないうちはキッチンスケールで計ると安定します。粉を入れたら、ドリッパーを軽く揺すって表面を平らにしておくと均一に抽出しやすくなります。
最初に少量のお湯を粉全体に行き渡るくらい注いで、30秒程度そのまま待ちます。この「蒸らし」の工程で、コーヒー粉がお湯を吸って膨らみ、その後の抽出がスムーズになります。鮮度の高い豆ほどよく膨らむ傾向があります。
蒸らしが終わったら、残りのお湯を少しずつ注いでいきます。中心から外側へ、ゆっくり円を描くように注ぐのが基本です。全体の抽出時間は3分以内を目標にすると、えぐみや雑味が出にくくなります。
お湯の温度も味に影響します。高すぎると苦みや雑味が出やすく、低すぎると成分が十分に引き出されないことがあります。
→ お湯の適切な温度については「ドリップコーヒーを淹れる時の最適な温度は?」で詳しく解説しています。
① 薄くなる・濃くなりすぎる
味が薄いときは「豆の量を少し増やす」か「お湯の量を少し減らす」、濃すぎるときはその逆で調整します。一度に大きく変えると何が影響したか分かりにくくなるため、1回の変更は1か所だけにして試すと原因を特定しやすくなります。
② 雑味・えぐみが出る
雑味やえぐみの原因として多いのは、抽出のしすぎとお湯の温度が高すぎることです。抽出時間が長くなるほど、豆の雑味成分も出やすくなります。お湯が熱すぎても同様です。まず抽出時間を短くすることと、お湯の温度を確認することから試してみてください。
③ 香りが出ない
コーヒーの香りは、豆の鮮度に大きく左右されます。豆の状態で保存していても、時間が経つにつれて香りは弱くなっていきます。また、豆は挽いた直後がもっとも香りが出やすい状態です。「飲む分だけその都度挽く」という習慣を持つと、香りの違いを実感しやすくなります。
コーヒーモンスターは、横浜を拠点とする自家焙煎のコーヒー通販ショップです。やさしい味わいのブレンドを中心に8種類を取り扱っています。
ハンドドリップを始めたばかりのうちは、「どの豆が自分に合うか」が分からないことが多いと思います。お試しアソートセット(¥980・4種・送料無料)は、そういった方に向いています。4種類のブレンドを少量ずつ試すことができるため、ハンドドリップの練習をしながら同時に自分の好みの豆を探すことができます。
4種のうちの一つ、デイリークラシックはブラジル×コロンビアの中煎りブレンドで、マイルドな飲み口が特徴です。初めてのハンドドリップで試す豆として向いています。他にも、爽やかな酸味のハイランドブリーズ、華やかな香りのブルームリッチ、果実感のあるストロベリーライクなど、個性の異なるブレンドが揃っています。
Q1. コーヒーミルは必ず必要ですか?粉で買うのはダメですか?
粉での購入で問題ありません。粉の状態でも十分においしく淹れられます。ただし、豆の状態と比べると粉は酸化が進みやすいため、購入後はできるだけ早めに使い切るのが向いています。「まずハンドドリップを試してみたい」という段階では、粉から始めてみるのもひとつの方法です。
Q2. 最初はどんな豆から試すのがよいですか?
中煎りでクセの少ない豆から始めるのが向いています。ブラジルやコロンビア産をベースにしたブレンドは、酸味・苦みのバランスがとれていて飲みやすいものが多いです。コーヒーモンスターのデイリークラシック(ブラジル×コロンビア)は、初めてのハンドドリップに合わせやすいブレンドです。
Q3. ハンドドリップに慣れるまでどのくらいかかりますか?
目安としては、10回程度繰り返すと「手順が体に入ってくる」感覚を持てる方が多いようです。ただし、「完璧に淹れられるようになる」ことを目指すより、「毎回少しずつ調整しながら楽しむ」というスタンスのほうが長続きしやすいと思います。
Q4. ドリップバッグとハンドドリップはどう違いますか?
ドリップバッグは、コーヒー粉があらかじめフィルターに入った状態の商品で、お湯を注ぐだけで手軽に飲めます。ハンドドリップは、豆・粉を自分でセットして注ぎ方も自分でコントロールします。手間はかかりますが、豆の選択肢が広がったり、抽出の加減を調整できたりするのがハンドドリップならではの部分です。
ここまでをまとめます。
- ドリッパー
- ドリップケトル(細口ポット)
- コーヒーミル(粉で購入する場合は不要)
- ペーパーフィルター
- 最初は中煎り・マイルド系が飲みやすくて向いています
- 産地はブラジル・コロンビアをベースにしたブレンドがクセが少なく入りやすいです
- 挽く → フィルターを湿らせる → 粉を入れる → 蒸らす → ゆっくり注ぐ
どんな豆が自分に合うかまだわからない、という方には、コーヒーモンスターのお試しアソートセット(¥980・4種・送料無料)が向いています。4種類のブレンドを試しながら、ハンドドリップの練習をそのまま始められます。

