日常生活の中にも潜んでいるストレスの原因。仕事や人間関係、将来への不安など、心が常に追われていると感じている人は少なくないでしょう。
そんな日々の疲れを癒し、リラックスできる時間を持つことは、心身の健康を維持するために非常に重要です。
そこで注目したいのが、コーヒーの香りです。淹れたてのコーヒーから立ち上がる芳醇な香りを嗅ぐだけで、なんだか落ち着きますよね。
この記事では、コーヒーの香りがもたらすリラックス効果について、過去の実験も交えて解説し、コーヒーの香りがどのように私たちの心と体を癒してくれるのかをご紹介します。
コーヒーの香りを嗅ぐと脳波に変化が現れることが実験によって明らかになっています。
特に注目すべきは「α波」の増加です。α波はリラックスしている状態、たとえばお風呂に浸かっているときや瞑想中などに多く放出される脳波です。
リラックス効果のある香りを持つコーヒー豆
杏林大学医学部の古賀良彦教授が行った実験では、複数のコーヒー豆の香りを嗅いで比べた結果、特にグアテマラとブルーマウンテンで多くのα波を放出することが確認されました。
リラックス効果を求めてコーヒーを選ぶ際には、これらの銘柄を試してみるのもいいかもしれません。
- グアテマラ
- ブルーマウンテン
集中できる香りのコーヒー豆
一方で、ハワイコナやマンデリン、ブラジルサントスでは、グアテマラやブルーマウンテンほどのα波の放出は見られませんでしたが、代わりにP300という集中している時に現れる脳波が放出されることがわかりました。
- ハワイコナ
- マンデリン
- ブラジルサントス
その日の気分に合わせて、自分にピッタリの効果を持つコーヒーを選ぶことで、カフェタイムをより楽しい時間へと変えられそうです。
コーヒー豆の焙煎度合いによって香り成分は変化します。
古賀良彦教授によると、コーヒーの香り成分は800種類もあり、これらの複雑な組み合わせがコーヒーの香り効果を生み出しているとのことです。
一般的に深煎りのコーヒー豆は香りが強く、芳醇な香りを楽しむことができるため、より高いリラックス効果をもたらすと言われていますが、α波の放出量と焙煎度合いの直接的な関係性についてはまだ解明されていません。
焙煎によって起こる3つの化学反応
コーヒーの香ばしい香りや複雑な味わいは、生豆を焙煎する過程で起こる様々な化学反応によって生まれます。その中でも特に重要なのが、メイラード反応、カラメル化、そしてストレッカー分解の3つです。
これらの反応が複雑に絡み合い、コーヒー豆の個性豊かな風味を作っているのです。
メイラード反応
メイラード反応は加熱によって糖とアミノ酸が反応し、褐色色素や香気成分を生成する反応です。たとえばパンを焼いた時の香ばしい香りや、肉を焼いた時の焼き色はメイラード反応によるものです。
コーヒー焙煎においては豆の温度が140℃から160℃に達する頃からメイラード反応が活発になります。この反応によってコーヒー特有の香ばしい香りやナッツのような風味、甘みなどが生まれます。
カラメル化
カラメル化は糖を加熱することで起こる反応で、甘い香りや独特の苦味を持つカラメルが生成されます。砂糖を熱してカラメルソースを作る過程が、まさにカラメル化の代表例です。
コーヒー焙煎では、メイラード反応に続いて、豆の温度が170℃から200℃に達する頃からカラメル化が起こります。この反応によって、甘い香りやビターチョコレートのような苦味、コクなどがコーヒーに加わります。焙煎が深くなるにつれて、カラメル化が進み苦味が強くなっていきます。
ストレッカー分解
ストレッカー分解はα-ジカルボニル化合物などが酸化することでアルデヒド等の香気成分を生成する反応です。
コーヒー焙煎ではメイラード反応とほぼ同時に起こります。この反応によってフルーティーな香り、フローラルな香り、スパイシーな香りなど、コーヒー豆の個性を際立たせる様々な香りが生まれます。
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日々の喧騒から離れ、温かいコーヒーをゆっくりと味わう時間は心身のリフレッシュに最適ですよね。当店の自家焙煎コーヒーで、皆様のリラックスタイムをより豊かなものにするお手伝いができれば幸いです。