トップクラスの香り!世界遺産にも登録されるコーヒー大国コロンビア

コロンビア産のコーヒーの魅力は、なんといってもその豊かな風味です。肥沃な土壌と温暖な気候に恵まれたアンデス山脈で栽培されたコロンビアコーヒーは、バランスの良い酸味とコク、豊かな香り、フルーティな味わいが特徴です。

最高級のコーヒー豆であるエメラルドマウンテンは、コーヒーの産地や品種に興味がない人でも1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

コーヒー豆生産量 世界第4位を誇るコロンビアは、言わずと知れたコーヒー大国で、コーヒートライアングルと言われる地域は世界文化遺産にも登録されています。

今回はそんなコロンビアコーヒーの魅力について紹介していきたいと思います。

世界第4位のコーヒー豆生産量を誇るコロンビア

コロンビアは世界有数のコーヒー生産国です。2022年の年間生産量は56万トンで、世界シェアの5.7%を占めています。

しかし、価格高騰が原因で前年の83万トンからは大きく生産量を落としてしまいました。世界ランキングも3位から4位へ下がっています。

コーヒー産業は国民経済の柱

コロンビアのコーヒー産業は、国民経済の柱として重要な役割を果たしています。コーヒー産業に従事する人口は300万人の上り、これは人口の5.8%に相当します。

コロンビアのコーヒー栽培は全国32県中23県で行われており、その中でも北部のマグダレナ、中部地方のカルダス、南部地方のナリーニョが主要な産地となっています。

世界文化遺産にもなったコロンビアの主要なコーヒー産地

以下の3地域はコーヒー三角地帯と呼ばれる、コロンビアの主要なコーヒー産地です。

2011年には「コーヒー産地の文化的景観」として世界文化遺産に登録されました。

キンディオ

キンディオはコロンビアの中西部に位置する、標高1,200-1,600mの地域です。火山灰による肥沃な土壌と温暖な気候に恵まれており、フルーティな香りが特徴のコーヒー豆が栽培されています。

カルダス

カルダスはコロンビアの中央西部に位置する、アンデス山脈の麓に広がる地域です。バランスの良い味わいとフルーティな香りが特徴のコーヒー豆が栽培されています。

リサラルダ

リサラルダはアンデス地域の中央西部に位置する、標高1,200-1,800mの地域です。こちらも火山灰の地層。スッキリとした味わいとフルーティな甘味が特徴のコーヒー豆が栽培されています。

バリエダコロンビアとエメラルドマウンテン

コロンビアでは、アラビカ種のカトゥーラ種とバリエダコロンビア種が代表的な品種です。

バリエダコロンビア種

バリエダコロンビア種はカトゥーラ種とティモール種を交配して、1968年に誕生しました。カトゥーラ種よりも生産性が高く、収穫量が多いのが特徴です。その為、コスパに優れたコーヒー豆としても知られています。

また、バリエダコロンビア種は病害虫や直射日光にも強く栽培が容易なため、コロンビアで急速に広まりました。

エメラルドマウンテン

コロンビア産コーヒー豆には、エメラルドマウンテンという最高級豆があります。

ジョージアでお馴染みのエメマンですね。

エメラルドマウンテンは、コロンビア政府が認定する標高1,200~1,600mの高地で栽培されたコーヒー豆です。

全生産量中の1%の最高級豆

エメラルドマウンテンは、コロンビア産コーヒー豆全体の約1%しか生産されいません。その為、希少性が高く、高級コーヒーとして知られています。

100%手摘み収穫

エメラルドマウンテンは、熟したコーヒーチェリーを1粒づつ手摘みで収穫しています。これにより、傷のない高品質なコーヒー豆が収穫できます。

徹底した品質管理

エメラルドマウンテンは、収穫後も保管場所や期間、温度などの条件を厳しく管理しています。これにより、コーヒー豆の品質を保ち、最高の味わいを実現しています。

コロンビアのコーヒーの歴史

コロンビアにおけるコーヒーの歴史は1730年頃に遡ります。

当時、コロンビアの東部の都市タバヘにあるサンタ・テレサ・キリスト教修道院でコーヒーノキが植えられました。このコーヒーノキはイエズス会の宣教師によって、ベネズエラから持ち込まれたものと考えられています。

19世紀の終わり頃には、コーヒーの需要が増加し、コロンビアでもコーヒー栽培が拡大しました。

20世紀には、コロンビアコーヒーの品質の高さが国際的に認められるようになりました。1927年にはコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)がコーヒー生産者たちの手により設立され、現在では56万以上の生産者がコーヒーの品質管理や輸出促進に努めています。

コロンビアコーヒーの品質を支えるセニカフェ

出典|FNC コロンビアコーヒー生産者連合会

コロンビアコーヒーの品質を支えるのが、セニカフェです。セニカフェは、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)が運営する、国立コーヒー研究センターです。

セニカフェは1938年に設立され、世界でもトップクラスのコーヒー研究所として知られています。コーヒーの生産性、品質、病気対策、技術開発などについて幅広い研究を行っています。

セニカフェの取り組みにより、コロンビアのコーヒーはこれからも世界中の人々に愛され続けることでしょう。

コロンビアコーヒーの最高級ランク「スプレモ」

コロンビアでのコーヒー豆の格付け

コロンビアではコーヒー豆のサイズによって格付けを行っており、「スプレモ」は最高級ランクに位置しています。

また、スクリーンサイズ13以下は輸出されず、主に国内での消費に回されます。

スプレモスクリーンサイズ17(6.75mm)以上
エキセルソスクリーンサイズ14-16(5.56mm)以上

スプレモの香りは世界でもトップクラスと称されています。マイルドでクセの少ない味わいにも関わらず深みを感じることができるのは、このコーヒー豆が持つ芳醇な香りの特徴です。

酸味・苦味・甘味のバランスがよく飲み飽きません。

力強いボディで豊かなコクと香りを持っているため、エスプレッソやアイスコーヒーとして飲むのもおすすめです。