粕谷哲さん考案のドリップコーヒー抽出レシピを徹底ガイド 〜 世界チャンピオンの味を自宅で再現しよう!〜

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ハンドドリップ好きの間で噂の“伝説のレシピ”をご存じでしょうか。
その名も―― 「悪魔のレシピ」

考案者は、2016年の World Brewers Cup でアジア人初の世界王者となったバリスタ 粕谷哲さん
同氏の代表的な抽出理論と言えば「4:6メソッド」が有名ですが、今回紹介するのはその王道とはひと味違う、浸漬式のサーバーを使ったレシピです。

悪魔のレシピの特徴は、前半で高温を使って旨みを引き出し、後半は温度を下げて雑味の抽出を抑えるという、温度コントロールを巧みに使った抽出法。

ドリップ中の温度と抽出効率をコントロールする事で、誰でも美味しいコーヒーを淹れることができるようになります。

ここからは、その「悪魔のレシピ」の手順を、はじめての方でも再現できるようにわかりやすく紹介していきます。

粕谷哲さんの悪魔のドリップレシピで用意するもの

まずは、使用する基本の条件です。

  • コーヒー豆:20g
  • お湯の総量:280ml
  • 挽き目:中挽き〜やや荒め
  • 目安の抽出時間:3分前後
  • 器具:Hario スイッチなど浸漬式のドリッパー

今回はハリオスイッチを使用しました。

このレシピは、最初に高温で旨みを引き出し、後半に温度を下げて雑味を抑える。そのコントロールが最大のポイントです。

悪魔のレシピ抽出手順

60ml・90℃のお湯を注ぐ(0:00)

まずはドリッパーのスイッチを “下げた状態” にし、60ml のお湯(温度90度) をゆっくり注ぎます。
この最初の注水はコーヒー粉全体をしっかり濡らすことが目的です。
高めの温度で旨みを引き出すスタートの一投 と考えてください。

さらに60ml・90℃を注ぐ(0:30)

30秒後、再び 60ml の90℃のお湯 を注ぎます。
ここまでで合計 120ml(全体の約40%) を使ったことになります。
前半のここまでの注ぎ分は「コーヒーの味のバランス(酸味・甘み)」を決める重要な部分です。

この段階でもスイッチは下げたままです。

160ml・70℃のお湯を注ぐ(1:15) — 浸漬式に切り替え

スタートから 1分15秒後160ml のお湯を 70℃ で注ぎます。
このタイミングでスイッチを 上げて浸漬式(抽出の流れを止めた状態) に切り替えましょう。

この “高温から低温への切り替え” が、後味の雑味を抑えながらコクを出す秘密です。
温度を下げることで抽出効率を制御し、苦みや渋みを抑えてきれいな味わいに整えます。

スイッチを下げて仕上げ抽出(1:45)

スタートから 1分45秒後、スイッチを再び「下げて」抽出を再開します。
抽出が落ち切るまで待てば 完成 です。
だいたい 3分前後 で落ちきるのが目安。3分以上かかる場合は、粉が細かすぎる可能性がありますので挽き目を少し粗くするのがおすすめです。

粕谷さんレシピの味づくりのポイント

このレシピで最も特徴的なのは、お湯の温度と注ぎのタイミングを明確に分けている点です。
最初に高温で旨み成分をしっかり引き出し、後半は低温に切り替えて雑味を抑えることで、バランスの良いコーヒーが生まれます。

また、「抽出時間の目安」「温度変化」「スイッチ切り替え」という要素を数字ベースで管理しているため、経験に頼らず 安定した味を作りやすいのも嬉しい特徴です。

まとめ — 世界チャンピオンの一杯をあなたの手に

粕谷哲さんのドリップ抽出レシピは、「温度制御」「タイミング設計」「抽出の流れのコントロール」という3つの要素が巧みに組み合わさった万能のドリップレシピです。

世界バリスタチャンピオンが実際に使った方法を、自宅のドリッパーで再現することができる──そんな贅沢な体験が待っています。

まずは今回紹介したレシピでチャレンジしてみて、次は自分だけの“カスタム・チャンピオンレシピ”を発見してみてください。

あなたのコーヒーライフがもっと楽しくなりますように。

今回使用したドリッパーはハリオスイッチです。