仕事の合間の休憩のはずなのに、気づけばスマホでSNSやメールをチェックしていて、休憩時間が終わっている。そんな経験がある人は少なくないと思います。
「休憩の質」を大きく左右しているのは、休憩中に何を「見る」かではなく、何に「集中する」かなのかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、コーヒーを「飲むこと」ではなく、コーヒーを「淹れる時間」そのものを休息にするという考え方です。淹れる5分間は、何もしない時間ではなく、ひとつのことに集中する時間。この記事では、その理由と実践方法を紹介していきます。
なぜ、コーヒーを淹れていると「ホッとする」のか?
コーヒーの香りには、気分に影響する力がある
コーヒー豆には、焙煎の過程で生まれるピラジン類やフラン類など、さまざまな香り成分が含まれています。こうした香りを心地よいと感じることは、気分やストレスの感じ方と関わりがあると言われています。
「香りを嗅いだ瞬間に脳がリラックスする」というよりも、好きな香りに包まれる時間そのものが気持ちを落ち着かせる一因になっている、というくらいの捉え方がしっくりくるかもしれません。
お湯を注ぐ、香りを感じる、豆が膨らむ。「五感」が自然に働く
コーヒーを淹れる工程を、あらためて思い浮かべてみてください。
- 粉から立ちのぼる香り
- お湯が落ちていく音
- 豆がふっくらと膨らんでいく様子
- ドリッパーを持つ手の感覚
- コーヒーの色の変化
- カップから立ちのぼる湯気
こうして並べてみると、「コーヒーを淹れる」という行為は、実は五感をたくさん使う小さな体験だとわかります。
特別なことをしなくても、いつもの手順の中に、これだけの感覚が詰まっているのです。
「淹れる5分間」がマインドフルネスになる理由
マインドフルネスとは「何も考えない」ことではない
「マインドフルネス」と聞くと、頭を空っぽにする瞑想のようなものをイメージする人も多いのではないでしょうか。ですが実際は、頭を空っぽにすることが目的ではなく、今この瞬間に起きていることへ意識を向けることを指す言葉です。
そう考えると、コーヒーを淹れる時間も立派なマインドフルネスと言えます。特別な道具も知識もいりません。いつも通りコーヒーを淹れながら、少しだけ「今」に意識を向けてみる。それだけで十分なのです。
「お湯を注ぐ」という一つの動作に意識を向けてみる
具体的には、こんな流れを意識してみてください。
- ケトルからお湯を注ぐ
- コーヒー粉がふわっと膨らむのを見る
- 立ちのぼる香りを感じる
- お湯が落ちていく音に耳を澄ませる
- カップに注がれていく様子を眺める
ポイントは「上手に淹れよう」とがんばることではなく、「今、自分が淹れていること」そのものに意識を向けることです。うまく淹れられたかどうかは、実はそれほど重要ではありません。
スマホを見ない5分間が、忙しい頭に「余白」をつくる
コーヒーを淹れている間は両手がふさがっていて、自然とスマホから離れられます。マインドフルネスと、スマホを手放せない状態との間には関連があると報告されており、デジタルからいったん離れることが注意力の回復につながる可能性があるとする研究もあります。
「絶対にスマホを見てはいけない」と意気込む必要はありません。淹れている間だけ、自然と距離ができる。それくらいの気軽さで捉えてもらえたらと思います。
コーヒーを「飲む時間」ではなく「淹れる時間」にしてみよう
忙しい人ほど「効率化しない時間」が必要
仕事は早く終わらせたい、食事も手早く済ませたい、移動中もスマホでできることを片付けたい。コーヒーも手軽に飲めるならそれに越したことはない。そんなふうに日々のあらゆる場面で効率を求めてしまうのは、忙しい人ほど自然なことだと思います。
だからこそ、あえて5分かけてコーヒーを淹れるという行為に価値があるのではないでしょうか。効率化からいったん離れる時間を意識してつくる。それが、忙しい毎日の中でのささやかな休息になります。
「面倒くさい」は、悪いことではない
「豆から挽いて淹れるなんて面倒くさい」と感じる人も多いはずです。忙しい日ほどインスタントで済ませたくなる気持ちはよくわかります。
ただ、見方を変えると、その「面倒くさい」と感じる5分間こそが、自分を休ませる時間になっているとも言えます。手間をかけること自体が、慌ただしい日常から少し距離を置くきっかけになる。
「コーヒーを淹れる時間が好き」という感覚は、案外こんなところから生まれているのかもしれません。
今日からできる「5分間のコーヒー休憩」
理由がわかったところで、実際にやってみたいと思った方のために、今日からできる簡単なステップを紹介します。
まずはスマホを手の届かない場所に置く
淹れている間だけでも、スマホを別の部屋や少し離れた場所に置いてみましょう。手が届かない場所にあるだけで、自然と意識がコーヒーに向きやすくなります。
豆を挽くところから、ゆっくり始める
すでに挽いてある粉を使うのも手軽で良いですが、余裕があるときは豆を挽くところから始めてみてください。挽きたての香りが立つ瞬間から、脳の休息始まっています。
お湯を注ぐときは、香りや音に意識を向ける
お湯を注ぐ手元、立ちのぼる香り、粉が膨らむ様子。何かを「考える」のではなく「感じる」ことを意識してみましょう。
コーヒーを飲むときも「味」に集中してみる
淹れ終わったら、そのまま作業に戻るのではなく、最初のひと口だけでも味に意識を向けてみてください。それだけで、5分間の休憩がより満たされたものになります。
リラックスタイムに楽しむコーヒー豆の選び方
香りを楽しみたいなら、焙煎度にも注目
コーヒーは焙煎が深くなるほど、香ばしい香りやチョコレート・ナッツを思わせるような香り、コクが出やすくなると言われています。「リラックスするなら深煎り一択」というわけではありませんが、香ばしい香りが好きな人には、中深煎り〜深煎りの豆が向いています。
その日の気分で「好きなコーヒー」を選ぶ
朝はすっきりとした後味のものを、午後はコクのあるものを、甘いものと一緒のときはチョコレートを思わせる香ばしさのものを、夜はカフェインを気にせず楽しめるデカフェを。
その日の気分に合わせて豆を選ぶこと自体も、自分のための小さな時間になります。「今日はどれを淹れようか」と考える数十秒も、忙しい頭を切り替えるきっかけになったりします。
まずはいろいろ試せる「飲み比べセット」から
とはいえ、最初から「自分の好きな香り」がはっきりわかっている人ばかりではないと思います。そんなときは、何種類かの豆を少しずつ試せるアソートセットから始めてみるのも一つの方法です。
コーヒーモンスターでは、送料込み980円で4種類の豆が楽しめるお試しアソートセットをご用意しています。自分が「これが好きかも」と思える一杯を探すところから、コーヒー時間を楽しんでみてください。
コーヒーを淹れる5分間を、自分のための時間に
コーヒーのリラックス効果だけに頼るのではなく、「淹れる」という行為そのものに意識を向けてみること。それが、忙しい毎日の中に小さな余白をつくってくれます。
今日の休憩時間、スマホではなくコーヒーに5分だけ使ってみませんか。

